経絡と鍼灸

残念ながら現代の鍼灸治療では、氣なる存在が度外視され西洋医学的解釈がなされ刺激療法となっています。本来、鍼灸治療は刺激療法ではありません。東洋医学では「鍼灸術の要は氣を整えることにある」と古典に記されています。この氣を整えるためには、氣の通り道である経絡というものを理解しなければいけません。そして「経絡は気血を運行させ、身体を滋養し、生体の異常を反映し、侵入した病邪や鍼灸の刺激などを伝導する作用をもつ」としています。この経絡循環を理解することにより、西洋医学の検査で異常がみつかる前、つまり、疾病になろうとしている身体環境を把握でき、未病のうちに処置ができるようになります。そのためには、氣が何たるかを知る必要があります。